マイホームを建てることを検討していて、住宅の性能について詳しく知りたい、長く住み続けられる高品質な家を求めている方へ。
「長期優良住宅」と「住宅性能表示制度」は、住宅の性能を客観的に評価する制度として知られています。
それぞれに特徴やメリットがあり、どちらの制度を利用すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、長期優良住宅と住宅性能表示制度の違い、それぞれの認定基準、メリットを分かりやすく解説することで、あなたが安心して家選びができるようにサポートします。
□長期優良住宅と住宅性能表示制度：住宅の性能を証明する2つの制度
住宅の性能を客観的に評価する制度として、長期優良住宅と住宅性能表示制度の2つがあります。
どちらも、住宅の品質向上と安心安全な住まいを実現するために存在しています。
しかし、両制度は目的や評価基準、メリットが異なります。
そのため、どちらの制度を利用すべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
1: 長期優良住宅
長期優良住宅とは、国が定める基準を満たした、長く住み続けられる高品質な住宅のことです。
耐震性、劣化対策、維持管理の容易性など、様々な面で優れた性能が求められます。
2: 住宅性能表示制度
住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に評価し、その結果を住宅性能評価書として発行する制度です。
省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性など、様々な項目が評価され、住宅の性能が一目で分かります。
評価結果を公開することで、消費者が住宅の性能を比較検討し、安心できる家選びをサポートします。
□長期優良住宅とは：長く住み続けられる高品質な住宅
長期優良住宅とは、国が定める基準を満たした、長く住み続けられる高品質な住宅です。
2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて認定され、耐震性、劣化対策、維持管理の容易性など、様々な面で優れた性能が求められます。
1: 長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅として認定を受けるためには、以下の基準を満たす必要があります。
・耐震性：耐震等級2以上、または免震構造であること
・劣化対策：劣化対策等級3以上であること
・維持管理の容易性：維持管理対策等級3以上であること
・省エネルギー性：断熱等性能等級4以上であること
・可変性（共同住宅と長屋に適用）：ライフスタイルの変化に応じて間取りなどの変更ができるように対策が施されていること
・バリアフリー性（共同住宅に適用）：高齢者等配慮対策等級3以上であること
・居住環境：周辺の景観と調和し、良好な居住環境が確保されていること
これらの基準を満たすことで、長期にわたって安全で快適な住環境を実現できます。
2: 長期優良住宅のメリット
長期優良住宅として認定されると、様々なメリットが受けられます。
・税金優遇：所得税、固定資産税、不動産取得税などの税金面で優遇措置を受けられます。
・住宅ローン減免：長期優良住宅向けの住宅ローン減免制度を利用できます。
・補助金：長期優良住宅の取得や改修に対して、様々な補助金が受けられます。
・住宅の価値向上：長期優良住宅は、一般的な住宅に比べて資産価値が高く、将来的な売却時にも有利です。
3: 長期優良住宅の選び方
長期優良住宅を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
・認定基準を満たしているか：認定基準を満たしているかを確認しましょう。
・設計・施工の技術力：設計・施工の技術力が高い会社を選びましょう。
・維持管理の体制：維持管理の体制がしっかりしている会社を選びましょう。
・価格：予算に合わせて、価格が適切な住宅を選びましょう。
長期優良住宅は、長く住み続けたいという方にとって非常に魅力的な選択肢です。
□住宅性能表示制度とは：住宅の性能を客観的に評価する制度
住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に評価し、その結果を住宅性能評価書として発行する制度です。
2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいており、住宅の性能を客観的に評価することで、消費者が安心して家選びができるようにサポートしています。
1: 住宅性能表示制度の評価項目
住宅性能表示制度では、以下の項目が評価されます。
・省エネルギー性：断熱性能、窓の性能、換気性能など
・耐震性：耐震等級、構造の安全性など
・バリアフリー性：段差の有無、手すりの設置など
・劣化対策：外壁、屋根、基礎などの耐久性など
2: 住宅性能表示制度のメリット
住宅性能表示制度を利用することで、以下のメリットがあります。
・住宅の性能が一目でわかる：住宅性能評価書によって、住宅の性能が一目でわかります。
・住宅選びの判断材料になる：住宅性能評価書を参考に、住宅の性能を比較検討できます。
・住宅の価値向上：住宅性能表示制度で評価された住宅は、一般的な住宅に比べて資産価値が高くなります。
・安心安全な住まい：住宅性能表示制度によって、安心安全な住まいを実現できます。
3: 住宅性能表示制度の活用方法
住宅性能表示制度を活用するには、以下の手順を踏みます。
・住宅性能評価機関に依頼する：住宅性能評価機関に、住宅性能評価を依頼します。
・住宅の性能を評価する：評価機関が、住宅の性能を評価します。
・住宅性能評価書を発行する：評価結果に基づいて、住宅性能評価書が発行されます。
4: 住宅性能表示制度の注意点
住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に評価する制度ですが、以下の点に注意が必要です。
・評価項目は限定的：評価項目は、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性など、限定的な項目です。
・評価基準は最低限：評価基準は、最低限の基準であり、すべての住宅が同じ基準を満たしているわけではありません。
・評価結果の解釈：評価結果は、あくまでも参考情報であり、住宅の性能を完全に保証するものではありません。
住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に評価する制度として有効ですが、あくまでも参考情報として活用し、住宅選びの判断材料の一つとして検討することが重要です。
□まとめ
長期優良住宅と住宅性能表示制度は、それぞれ異なる特徴とメリットを持つ住宅の性能評価制度です。
長期優良住宅は、長く住み続けられる高品質な住宅として、耐震性、劣化対策、維持管理の容易性など、様々な面で優れた性能が求められます。
認定を受けることで、税金優遇、住宅ローン減免、補助金などのメリットを受けられます。
一方、住宅性能表示制度は、住宅の性能を客観的に評価し、その結果を住宅性能評価書として発行する制度です。
省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性など、様々な項目が評価され、住宅の性能が一目で分かります。
どちらの制度を利用すべきかは、個々のニーズやライフスタイルによって異なります。
長く住み続けたい、高品質な住宅を求める場合は、長期優良住宅がおすすめです。
住宅の性能を客観的に評価し、安心安全な住まいを選びたい場合は、住宅性能表示制度がおすすめです。
この記事が、みなさんが安心して家選びができるように、少しでもお役に立てれば幸いです。
