家を建てるために重要な要素の1つである地盤。
地盤は建物の基礎となる土地の性質や強度を指し、安定した建物を築くために欠かせません。
この記事では、地盤調査と改良工事の方法をご紹介します。
家の長持ちと安全な生活のために、地盤に関する知識を深めていきましょう。
□地盤調査とは？
＊地盤調査では何を調べるの
地盤調査とは、家を建てる土地の地盤の状態を調べることを指し、通常ハウスメーカーや委託された地盤調査会社が行います。
土地が軟弱で家を建てるには危険と診断された場合、「地盤改良工事」を行ってから家を建てます。
また、地盤調査の際に地盤に埋設物が見つかった時は、撤去する必要があり、撤去費用が別途かかることも覚えておきましょう。
＊しっかり地盤調査をしないとどうなる
地盤が軟弱なまま家を建ててしまうと、地盤が家の重さに耐えられず家が傾いてしまうおそれがあります。
家が傾いてしまうと窓やドアが開きにくくなったり、外壁がひび割れたり、資産価値が落ちたりします。
また、どんなに家自体の耐震性が高かったとしても弱い地盤の上に建ててしまえば台無しになってしまうでしょう。
安心安全に過ごすためには地盤調査の工程は必須と言えるのです。
＊地盤改良工事の要否を事前に予測するポイント
地盤調査を行わないと地盤改良工事の要否は分かりませんが、事前に予測することは可能です。
一般的に地盤が弱い場所はもともと水田、川、海、沼であった土地です。
この指標にあてはまる場合は資金計画に地盤改良工事費用を含めておきましょう。
他にも近隣で新築住宅を建てた方に地盤改良工事が必要であったかを聞いても良いですね。
ただ、隣地でも地盤の強さは異なりますし、時の流れによっても地盤の強さは変わることを覚えておきましょう。
安心・安全のために必ず地盤改良工事を視野に入れ、資金にゆとりをもって計画を立てた方が良いです。
□地盤調査はどの方法が良いの？
1．ボーリング標準貫入試験
高精度な地盤調査方法で、住宅などの小規模建築物から大規模建築物までの地盤調査が可能になります。
メリットは以下の通りです。
・精度が高い
・小規模から大規模まで幅広い建築物に対応可能
・標準貫入試験、土質試験用サンプリング、液状化判定、地盤の揺れやすさの解析などが実施可能
デメリットは以下の通りです。
・やぐらが必要なので工期が長い
・費用が高額
2．スウェーデン式サウンディング試験
住宅向けの一般的な地盤調査方法です。
地盤の支持力を算出する際に必要なN値に相応する換算N値を算出可能です。
メリットは以下の通りです。
・調査期間が短い
・費用がリーズナブル
・狭小地での調査も可能
・敷地全体の地盤を把握できる
デメリットは以下の通りです。
・簡易調査であるため、それだけでは精度が低い
・建物が沈下して傾くリスクの判定は可能だが、地震時の揺れやすさは判定できない
・地中に障害物がある場合、それ以上の調査ができない
・調査機、調査技術者によって結果に個人差が生じる
・サンプリングできない
3．微動探査
地盤に人がわずかに感じ取れる程度の小さな地震を起こし、高精度な地震計で計測する方法です。
4点同時に計測することで、地面の中で伝わる速度を検出する最新の地盤調査方法になります。
メリットは以下の通りです。
・石が多いところや、コンクリートのところでも非破壊で調査が可能
・広いスペースを必要とせず、20分ほどで調査が可能
・地盤の構造が解析できるため、地震の時の揺れやすさが地盤増幅率として解析可能
・調査データをもとに将来想定すべき地震動を設計用入力地震動として設定可能
デメリットは以下の通りです。
・表層の強さはスウェーデン式サウンディング試験の方が高精度なので、併用することが望ましい
コストを削減しながらも確実に調査をしたい場合は、スウェーデン式サウンディング試験と微動探査の併用がおすすめです。
□地盤改良の種類とは？
1．表層改良工法
2メートルほど土を堀り、セメント系の固化材を入れて地盤を固める方法です。
相場は約20坪ほどで約50万円で、地盤が弱い層が2メートル以下の場合に用いられます。
地盤改良工事の中で価格が比較的安価ですが、軟弱な層が2メートル以上の場合対応不可能です。
2．柱状改良工法
何本ものコンクリートの柱を地面に打ち込んで地盤を強化する方法です。
相場は約20坪ほどで約100万円で、2から8メートルほど軟弱な地盤が続いている場合に用いられます。
3．鋼管杭工法
柱状改良と同じ方法でセメントではなく鋼管で地盤を改良する方法です。
相場は柱状改良とほとんど同じです。
工事にそれほど時間がかからないのが特徴です。
□まとめ
安心して長く住み続けるには、地盤調査と地盤改良工事が欠かせません。
地盤調査や改良工事は結果により多額の工事費用がかかる場合があります。
土地を新たに購入する場合は事前に資金を準備しておくようにしましょう。
当社はフルオーダーメイドで作る注文住宅を手がけています。
地盤以外にも注文住宅について不安があればいつでもご連絡ください。
